未来の子どもに残すもの(古民家解體新書より)

日本には歴史と共に歩んできた住宅「古民家」があります。

最近、古民家は着目され一昔前よりかは、日の目を見る機会が増えてきました。

しかし、新しいもの好きである日本人には建てては壊すフロー消費型が未だ定着しています。

古民家鑑定士を学ぶ中で、不便な生活を強いられる古民家に住むように押し付けて江戸時代の生活に戻らせるためではなく、古民家に活かされた様々な先人達の知恵を学び、それを現代の生活の中に上手く取り込む事で持続可能な循環型建築を取り戻す・・・。と書かれています。

そうして、その日本古来の技術と文化を未来の子ども達へ引き継ぐ使命があります。

古民家のデメリットをあげてみると・・・

1、お客様中心の間取りや、現在は必要ない作業スペースとしての大きな土間は無駄となり使いづらい。

2、家長主義の男性優位の古民家の間取りは現在の家族の在り方とは違い、男女平等の精神に反している。

3、冬の寒さ、室内の暗さは改善する必要が大きい

と書かれています。他にもあるとは思いますが、古民家解體新書にはこの3つをあげられています。

逆に古民家の良さ(メリット)は以下の通り・・・

1、古民家に使われている資材は自然素材であり、再活用が出来たり、また廃棄しても有害なものを排出しない。

2、古民家の伝統構法は免震的な構造で、地震が起こったとしても上手く地震の力を逃し、現在の高層ビルなどにも使われる日本に合った構法である。

3、地元の資材で建てるということは地産地消につながり、地域の経済活性化となる。また海外などからの無駄な輸送をおこなわないことで無駄な二酸化炭素の排出を抑える事ができる。

4、夏の暑さを和らげる工夫は現在の住宅でも知恵として活かすことが出来る。

5、外部との一体感を重視した古民家の開放性は周りの自然環境との調和を生みだし、また人の心にも癒しの効果を与える。

6、現在の住宅の考え方である個人主義とは違い、家族での団欒を重視する間取りからもう一度家族の在り方などについて学ぶべき点がある。

7、ひとつの部屋で就寝を重複しておこなう古民家は、家の大きさを小さくすることが可能でコスト面、環境面ともに学ぶことが多い。

などなど・・・。たくさん良さはあるんです。

近年、我々の事業をご理解頂き応援頂ける方が増えてきました。

(GW中の日曜日朝刊に先日発足された奈良県古民家再生協会の記事が掲載されました。)

財団法人職業技能振興会の資格である古民家鑑定士と古民家鑑定士インストラクターが在する各都道府県の古民家再生協会と共に「未来の子どもに残すもの」として活動を続けたいと思います。

各地の古民家再生協会はこちらをご確認ください。掲載されていない地域は当協会までお問い合わせ下さい。

「未来の子どもに残すもの」は古民家解體新書 P13〜P17に掲載されています。